iOS9のサファリ、広告ブロック機能を搭載!あ、そう。
もうすぐリリースされるiOS9のSafariが広告ブロック機能を搭載している、ということでネット広告業界は戦々恐々らしい。
まぁユーザーにメリットのある機能なのは間違いないが「Google涙目www」「アフィカス死亡!」という話はちょっと極端すぎだと思われ。
まずシェアはどんなもんなんだ
最初にこのiOS9のSafariが使えるユーザーはどれくらいの範囲なのか?
さらっと調べたデータ。
販売台数ベースでは半々。
日本国内はOSシェアが半々で、iPhone6好調で販売台数は多分iOSの方が上。
だとしても、だ。
まずインパクト的には市場の15%が最大値で、OSアップデートするしないを含めると一桁パーセンテージまで落ちるのでGoogleは死なない。
これでiOSが大躍進するか?
さらにこの機能を呼び水にしてみんなiOSにレミングよろしく移行するのか?というと、それもない。この機能のユーザーメリットは「通信速度が速くなった」「データ量が減った=通信料金が下がる」の2つだが、全世界で言えば回線そのものがまだ発展途上でコチラが早くなれば別に問題はない。データ量が減る、というのも毎月通信料上限まで使い切るようなヘビーユーザーには恩恵があるけど、そんなユーザーばっかりだったらDoCoMo/au/ソフトバンクの3キャリアが先にパケ死してるのでそれも大したインパクトはない。
さらに国内でも、さらに全世界的にみればiOSを使うためのiPhoneは基本激高なのだ。盗難や並行輸入目当ての買い占めが起こるくらいに。
新車2年目の車を売ってわざわざプリウスを一括で買うようなもんですね。そんなめんどいことはだれもしない。
ということはシェアは動かない。
テクノロジー的側面で考える
今回の広告ブロックはどういう技術なのかは分からないが、少なくとも「これはコンテンツ」「これは広告配信」という区別をつけて出し分け、リクエストの仕分けをしているはずで、こういう話はイタチごっこになるのはこの手の最新技術の常。
つまり本当にこれがネット広告配信キラーとなるなら、世の中にゴマンと有る「広告配信で食ってる」会社はこれをトラップする仕組みを死ぬほど編み出してきて結局有名無実化するのは間違いない。
単純に考えても「通信量が減る」というなら、広告配信関連の通信をしないようにしている働きなのは明白なので、そもそも閲覧者に広告に関する通信を肩代わりさせる今の仕組みを変えてしまえばいい。
これまでは、
閲覧者がサイト訪問>サイトに広告埋め込み>閲覧者のブラウザが広告サーバーに接続>広告が表示
となっていたフローを、
閲覧者がサイト訪問>サーバが広告サーバに裏で接続>受け取ってサイトコンテンツとして閲覧者に表示
と変える(すでにある)だけでこの機能はスルーされ、実際閲覧者の通信量は減る。これだけで「広告ブロック機能」と言ってしまった機能は「嘘じゃん」となる。
なんでこの機能をリリースするの?
それは分からないが、上に書いたようなことは当然Appleもわかっていてやってるはず。iOS vs Androidの構図において劣勢のAppleにとって、andorid by Googleが模倣したくても出来ない機能を搭載する、というのは至極真っ当な戦術ですが、まぁどちらかと言うと相手のスキを突く、弱者の戦術のキライがある。
まぁそれを「Googleシボンヌ」とか言っちゃってる読み手の方に読解力とか理解力が足りてない、というのが一番の真相。おまえがシボンヌ、ってこった。
蛇足ながら
世論の左傾化右傾化やら、政府のアダルトの規制やら、なんでもこういったものにはバランスの不均衡があって、振れすぎると反対に揺り戻そう、という圧力がかかる。
ネット広告は他の媒体と違って、即時性や計測精度が高い事で一気にマーケットが広がったけど、そちらを追求するあまりにオーディエンスに通信のツケを払わせてたよね、ってことかなと思ってます。
まとめサイトとか広告貼り過ぎて広告読み込みで本編読めないやつとかあるしね。今のサイトが広告配信で本当にデータの過半を使ってる、って話なら、そろそろ是正されるのもいいんじゃないの?という話ではあると思う。
該当広告で言えば道路通るのに広告邪魔で歩道の幅が半分以下、ってことだから。自転車野迷惑駐車じゃないんだからw